コーヒーの不老力

世界中で注目される糖尿病とコーヒーの関係


 年齢を重ねると、だんだん気がかりになるのが、生活習慣病ですね。その中でも糖尿病が心配という人も多いのではないでしょうか。平成14年の厚生労働省健康局による推計では、「糖尿病が強く疑われる人」は約740万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は880万人としています。この推計によると、なんと1620万人もの日本人が糖尿病あるいは糖尿病の予備軍ということになります。

 生活習慣に起因する糖尿病は「2型糖尿病」といわれるものですが、近年、この2型糖尿病の予防に効果的としてコーヒーが注目を集め、世界各国から相次いで「コーヒーに2型糖尿病を予防する効果あり」という報告がされています。

 世界に先駆けて大規模な調査結果を発表したのは、オランダのDr.VanDamらです。1万7111人の男女を対象とし平均で約7年間にわたり追跡した結果、「1日に7杯以上コーヒーを摂取する人では、1日2杯以下の人に比べて2型糖尿病の危険度が2分の1になね」という報告をしています。

 また、フィンランド国立公衆衛生研究所が行った大規模な調査では、
  1)、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%・  男性で27%糖尿病にかかる率が減少
  2)、1日10杯以上飲んだ場合は、女性で79%・男性55%の
  減少とうい結果が出ています。
 これらのほかにも、アメリカやスウェーデン、日本などの各国で、コーヒーの2型糖尿病予防効果について「効果あり」という研究結果の報告がされています。

 糖尿病は、糖分をエネルギーに変えるためのホルモンであるインスリンの分泌や働きが悪くなる病気です。コーヒーが糖尿病予防に効果がある理由として、コーヒーに含まれているクロロゲン酸が糖尿値の抑制に関わっている可能性が指摘されています。

動脈硬化は血管の老化現象


 食生活が豊かになるにつれ、日本人の体格は向上し、寿命は世界一を誇るまで伸びてきました。しかし、その一方で、以前はほとんど見られなかった病気が増えてきています。心筋梗塞や脳梗塞といった疾病もねこういった病気の仲間です。

 心筋梗塞と脳梗塞は、ともに血管がつまってしまう疾病です。
 そして、これらの疾病の原因となるのが動脈硬化です。健康な人でも年齢を重ねるうちに、動脈は弾力を失い、硬くなってしまいます。動脈硬化はいわば血管の老化現象なのですが、この動脈硬化をさらに悪化させるのが、コレステロールなどの脂質です。コレステロールは体に欠かすことのできない成分なのですが、増えすぎると動脈の中で悪さわしてしまうのです。コレステロールなどが動脈の中で酸化し、動脈の内壁にドロドロのお粥のような状態となって沈着するのです。しだいに動脈の中はせまくなり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因のひとつとなります。

 ここまでコレステロールと大雑把な言い方をしましたが、実はこのコレステロールには、LDL(低比重リポたんぱく)コレステロールとHDL(高比重リポたんぱく)コレステロールがあります。両者のバランスが崩れ、LDLが増えすぎると動脈硬化が進みやすくなります。

 動脈硬化を予防するため、つまり血管を若く保つためには、LDLとHDLのバランスを整えてやればいいわけですが、コーヒーにHDLを増やす働きがあることがわかってきています。

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