コーヒータイムをダイエットに活かすポイント
国立病院機構京都医療センター予防医学研究部の板根直樹室長は、「コーヒーを活用した楽しい減量プログラム」を実施し、肥満治療に大きな効果を挙げています。コーヒーを活用したグループとコーヒーを活用しなかったグループで比べた結果、コーヒーを活用したグループでは「体重の減少」「筋肉率の上昇」「収縮期血圧の低下」「LDL(悪玉と呼ばれている)コレストロール値の低下」という、好ましい結果が得られました。
板根室長は、コーヒーをダイエットに活かすポイントを次のようにまとめています。
1.空腹時に香りを楽しむ
2.寝る前に飲まない
3.食後のコーヒーは、それ以後に間食はしないというサイン
4.コーヒーを飲んでから運動する
コーヒーはおやつを流し込むための飲み物ではなく、味と香りを楽しむもの。ゆったりとしたコーヒータイムを楽しみたいですね。
運動中の酸素摂取量を高める、コーヒーの効果
体内の脂肪を燃やすためには、酸素が必要です。ダイエットには、ジョギングやウォーキングなどの軽めの運動が効果的であるといわれるのは、このためです。これらの運動は有酸素運動といわれ、体に酸素を取り入れ、脂肪をエネルギーとして使います。
神戸美術工科大学・芸術工学部・応用生理学研究室の古賀俊策教授らは、運動の10分前にコーヒーを飲んでから運動したときのほうが酸素摂取量がより高くなるという結果を得ています。
また、古賀教授らは、体における脂肪の利用量の目安になるガス交換比についてもしらべました。その結果、コーヒーを飲んだ場合のほうが、脂肪を多く利用していることが示唆されました。日々の運動の前にコーヒーを1杯のむことで、ダイエット効果をアップすることができそうですね。
食事の前のコーヒーで食べすぎを防ぐことができる。
おなかさえ空かなかったら、やせるのかもっと楽になると思いませんか?もちろん極端な食事制限によるダイエットは健康を害してしまうだけですが、「もう少し食欲を抑えることができたら」というのは、多くの人に共通した望みではないでしょうか。
ダイエットを空腹感や満腹感という感覚の面から研究しているのが名古屋大学総合保健体育科学センターの近藤孝晴教授らのグループです。近藤教授らは、女子大生に協力してもらい、コーヒーが人間の感覚に与える影響の実践を行っています。
空腹感に関する実験は、「自覚症を時間経過で克明に確認するという方法で行われました。そして、その結果、食前にコーヒーを飲むと空腹感が抑えられるという結果が得られました。
また、この実験では、食事と飲み物とのさまざまな関わりについて調べられ、次のような結果も得られています。
・コーヒーには眠気や疲労感を抑えることのほかに、意欲や 便意を強く する効果があった。
・食前のコーヒーは空腹感のほか、眠気、疲労感、便意を抑 えた。
食前か食後か、コーヒーを飲むタイミングを工夫することによって、より大きな効果が期待できそうです。